RECIPEつくるたのしみ
鶏肉とアサリと新ジャガのワイン蒸し

一人で、または親しい人たちと、自宅でゆっくり寛ぎながら、おいしいワインと旬のものを食べたい。そのようなときのたのしみ方とレシピを、料理家でありソムリエの平野由希子さんに伺っています。
「鶏肉とアサリと新ジャガのワイン蒸し」のつくり方
2品めは、お肉と野菜たっぷりのメインディッシュです。
「山のものと海のものを組み合わせることで、おいしさが掛け合わされます」と平野さん。ジャガイモがそのおいしさを吸い、ケッパーやアンチョビ、アスパラが旨みを膨らませます。

材料(2人分)
鶏もも肉 | 2枚 |
---|---|
アサリ | 400g |
新ジャガ | 500g |
アスパラガス | 3本 |
ニンニク | 1かけ |
アンチョビ | 2枚 |
塩漬けケッパー | 大さじ1/2 |
白ワイン | 100cc |
タイム | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
塩、コショウ | 適量 |
TIPS|
ジャガイモの代わりに春キャベツを使用しても、甘みが加わりおいしい。キャベツはアサリと同じタイミングで加える。
つくり方
- 鶏肉は、大きめのひと口大に切り、塩少々をふる。アサリは、海水程度の塩水につけて、砂抜きしておく。新ジャガは、小さいものは半分、大きいものは3〜4等分に切る。アスパラガスは、根元の硬い部分をむき、斜め3㎝長さに切る。ケッパーは、水洗いする。
- 鍋にオリーブオイル大さじ1を熱し、鶏の皮目を下にして中火で焼く。皮目がこんがりとしたら取り出す。反対側は焼かなくてよい。
- ②の鍋に半分に切ってつぶしたニンニク、アンチョビの粗みじん切りを入れて香りが出たら、ジャガイモを加えて軽く炒め合わせる。水1/2カップ(分量外)を加えて弱火でジャガイモに火が通ったら、水分がほぼなくなるまで蒸し煮する。
- 鶏肉を加えて炒め合わせ、アサリ、アスパラガス、ケッパー、タイム、白ワインを加えてワインが煮立ったら、蓋をして、アサリの口が開くまで中火で加熱する。味を見て、必要なら塩、コショウを加える。仕上げにオリーブオイルを回しかける。
TIPS|
鍋のタイプによっては、鶏肉をフライパンで焼き付けるとつくりやすい。
使用したグローサリー
「鶏肉とアサリと新ジャガのワイン蒸し」におすすめのワイン

「オレンジワインを合わせると、このお料理の旨みはさらに倍増します」という平野さんの声を受け、ソムリエが選んだのは、イタリア シチリアでつくられるワインです(写真左から2番目)。
C.O.S/Pithos Bianco 2020
コス/ピトス ビアンコ 2020
ビオディナミ栽培のブドウを使い、アンフォラで発酵させたオレンジワイン。艶のあるきれいな黄金色で、ブドウのポテンシャルを感じる密度の高い味わいです。フレッシュな果実感から、程よいタンニンが広がり、アンズのコンポートのようなコクのある旨みが続きます。
ワインのテクスチャーがしっかりしており、ジャガイモのでんぷん質を包み込みます。また、シチリアのワインらしいどことなく感じる余韻の塩味が、料理の塩分濃度と相まって、調和を生み出します。鶏肉やあさりの旨みとオレンジワインらしいコクも相性がよいでしょう。

平野由希子 YUKIKO HIRANO
料理研究家、日本ソムリエ協会認定ソムリエ、大井町のワインバー『8huit.』オーナー。書籍や雑誌などでも活躍しながら、商品開発なども手掛ける。
https://www.yukikohirano.com/