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LIG EVENT REPORT -春のわっぱ弁当ワークショップ

春を祝う鮮やかなわっぱ弁当をつくろう
春はお祝いごとの季節です。
大人数で集まったり、パーティをすることは難しい時期ではあるけれど、せめて少しでも、少人数でも、春を感じていただきたくて。DEAN & DELUCA 広尾でワークショップを行いました。
テーマは「3種類のいなり寿司でつくる春のわっぱ弁当ワークショップ」。

講師は、バイヤーの吉住です。彼女が日本全国を巡りながら見つけたおすすめ調味料の紹介をしながら、ちらし寿司の具を使って3種類のいなり寿司をつくり、その後わっぱに詰めるまでを、参加者の皆さんとともに行いました。
「このひと手間が、おいしさにつながるんです」

まずはいくつかの調味料が、味を確かめるために少しずつ各テーブルに用意されました。
「煎り酒は、皆さんご存知ですか?」と、吉住が切り出します。
「江戸時代にお醤油がなかった頃に、お刺身やちょっと塩気がほしいものにかけていたんです。岩手県の『八木澤商店』がつくっています」
『八木澤商店』は、およそ200年、木桶で醤油をつくり続けている伝統的な醤油屋です。
「実は震災のとき、仕込んでいたお醤油もろとも流されてしまったんです。ただ、その1ヶ月前に研究所が『このお醤油を研究したい』と、偶然もろみを預けていたんです。そこから培養して、今またつくれるようになりました。そんな奇跡のお醤油を味わっていただけたらなと思います」

試飲をしながら、真剣にメモをとる参加者
いなり寿司の具は、兵庫県の但馬地方で採れたホタルイカを、ゆがいて味噌漬けしたもの。それと、繊維がやわらかく、歯切れよく香りのいい里ごぼうの漬物。これらの他に、もう1品、その場で吉住がささっとつくります。
「中まで火を通さず、半生ぐらいで仕上げた生食用のホタテと、茹でたスナップエンドウ。こちらは熱したフライパンで、さっと焼き目だけ付けました。このひと手間がおいしさにつながる。焼いたところが香ばしさや旨味に変わって、味わいがグレードアップするんです」
そんな、ふだんの料理にも役立ちそうなヒントも挟みながらワークショップは進みます。

ホタテとスナップエンドウに『うね乃』の白だしを和えるだけ
「破けても大丈夫ですよ」
そして、いなり寿司をつくる番。もちろんいなり揚げにもこだわります。今回使用したのは、大阪の豆腐専門店『河内庵』のもの。
「私も知らなかったんですが、普通のお豆腐じゃ油揚げにならないそうです。ちゃんと油揚げ用に別でつくったお豆腐を揚げて、味を付けていて、すごく丁寧に仕上げているんです」
いなり揚げを慎重に広げて、中にごはんを入れます。桜エビは包まず、俵型に握って。
「いなり揚げにごはんを入れるのは、スプーンの背を使って。中にちょっと押し込む感じで、キュッキュッと入れていきましょう。あ、破けても大丈夫ですよ。全部乗ると、それなりに見えてくるので」と吉住。このおおらかさに、参加者の皆さんの表情がなごみます。

そして、さらに具を詰めていきます。
あなごにタケノコ、紫キャベツにグリーンピース……みるみる色とりどりになっていく過程にワクワク。参加者の皆さんも、真剣ながら、顔がほころんでいる様子が見てとれます。

一つひとつ、丁寧にいなりを仕上げていく
「これは、菊をゆがいたものですね。みなさん、菊って食べたことありますか? シャキシャキしていて、すごく食感がいいんですよ。それを最後に乗せると、色とりどりになってきれいですよね」
「わっぱに全部が合わさると、感動するんです」

いよいよ仕上げ。わっぱに詰めていく作業に移ります。
「まずはおいなりさんを詰めて、それから隙間におかずを詰めていくんですけど、難しいですか? 大丈夫ですか? おー! きれいになりましたね。よかった、よかった」。そう言いながら、吉住はテーブルを回ってチェックしたり、盛り付けのアドバイスをしたり。
「おうちでは、この具材じゃなくても、お好みの具材を乗せていただいて大丈夫です。違うものが3つ集まると彩りがよくなりますので。全部合わさったとき、感動するんですよね」
「ほら、こんなに彩り豊かにできました」

仕上げに桜の枝を乗せると「かわいい!」と歓声が

それぞれのわっぱが出来上がり、写真を撮ったり、眺めたり
最後に、参加してくださった方々のご感想を伺いました。
“メルマガを見てちらしの具は買っていたので、
このイベントが開催されてすぐに申し込みました”
“全然難しくなかった”
“1時間で終わるか心配だったけれど、思ったよりも簡単でした”
“とてもきれいに仕上がってうれしい”
“なかなかお酒が飲めない時期ので、こういったお酒でない食のイベントがうれしい”
“広尾のお店が近所なので、またやってほしい”
ご紹介した商品については、とくに煎酒に関心が集まりました。
“煎酒を初めて知りました”
“温泉卵にかけたらおいしそう!”
この感想に、確かに! とみんな納得の様子。
さらに、お土産として、お弁当と一緒に楽しんでいただこうと、吉住が開発したフリーズドライのお味噌汁をお持ち帰りいただきました。
「だしと具の組み合わせにこだわった商品で、お湯を入れると香りがふわっと広がるんです(吉住)」
最後には、参加者限定でお買いものをたのしみ、ワークショップはおひらきとなりました。世界中のおいしいものを集めた食のマーケットを体感していただけるようなイベントを、今度も定期的に開催予定です。次回をどうぞおたのしみに。