PEOPLE想いをつなげる
本物のおいしさは未来への一歩

地域のおいしいものを、地元の人たちと分かち合いたい。旬の恵みを、より多くの人たちと喜びたい。これは、DEAN & DELUCAが創業以来、変わらず持ち続けている想いです。そこから生まれるのが、店舗限定メニューやシーズナル商品。
2020年に、初めてオンラインストアでもお届けした「DEAN & DELUCA 中目黒さくら蜂蜜」が、今年も届きました。これは、東京・目黒にある東京音楽大学代官山キャンパスで、都市養蜂によりつくられた非加熱の蜂蜜です。採取するのは、東京生まれの食を提供するファーマー「Ome Farm(オウメファーム)」。
インタビューの前半では、Ome FarmとDEAN & DELUCAが共鳴し、取り組みを共にすることになったストーリーをご紹介しました。後編では、おいしさの本質について、Ome Farm代表・太田 太さんの考えを聞きます。
INTERVIEW
本物のおいしさは、未来への一歩。
私たちが目にする蜂蜜の多くは、蜜こし器を通してミツロウなど取り除き、さらに細かい目のステンレスアミで漉すなどの過程を経て、届きます。この際、加工のしやすさなどの面から、加熱する場合があります。しかし、DEAN & DELUCAがご紹介するのは、非加熱の蜂蜜。これには、どのような特徴やおいしさがあるのでしょうか。

「加熱された蜂蜜に比べ、非加熱のものは、風味や花の香り、酵素などの栄養素も壊れていないところがポイントです。
とくに、僕らが採取した『DEAN & DELUCA 中目黒さくら蜂蜜』は、圧倒的な香りが特徴。桜の花を中心に、開花に合わせてツツジ、トチ、ユリノキとつないでいくのですが、まさに桜餅のような贅沢な香り。香水のように鼻から香りが抜けていき、舌触りはスムースで、なんともいえない幸福感をもたらしてくれます。
まずはそのまま、口に含んでいただきたいですね。何かと合わせるなら、ヨーグルトが一番。それも、可能であれば、自分で菌を植え継いでつくる自家製ヨーグルト。これに、お好きなフルーツやナッツの組み合わせがおすすめです(Ome Farm・太田さん)」
太田さんの言葉にあるように、芳醇な香りが特徴の「DEAN & DELUCA 中目黒さくら蜂蜜」。のどを刺激するような強さがないため、そのままではもちろん、温かいものの仕上げに使うと、よりおいしく食べられます。
ちなみに、非加熱の蜂蜜は結晶化しやすいという特徴もありますが、レモンと合わせておくと結晶化しづらく、使いやすくなります。

また、太田さん曰く、都市養蜂で採れる蜂蜜本来の魅力は、地元のものを地元の人が食べることにあるそうです。
「やはりローカルが大切。世界にある食の先進都市では、すでにこの考え方が広まっています。味であれば、遠く離れた場所の蜂蜜を食べるのもたのしいけれど、いま住んでいる地域の蜂蜜を食べることが、健やかな体づくりに役立つそうです。これを、日本の人、東京の人にも、もっと知っていただきたいですね(Ome Farm・太田さん)」
そんな都市養蜂を通して、Ome Farmとして実現したいことも伺いました。
「僕たちがふだんから実践している、農薬を用いない、改良品種の種を使わない、という古来のやり方。そこに、養蜂が組み合わさることによって、僕たちの農作物はさらに健康に育つと考えています。
そもそも、野菜や果樹が健やかに育つには、スムーズな受粉が欠かせません。ミツバチがいると、その受粉が自然に行われるんです。まさに不作知らず。
こんなやり方が、日本のあちこちにもっと増えるといいなと願いながら、まずは僕たちも試行錯誤を繰り返して、よりよい生産を心がけたいと思っています(Ome Farm・太田さん)」
ミツバチとOme Farmが力を合わせた蜂蜜。おいしいだけでなく、わたしたちに、身近な自然のありがたみと、その大切さを教えてくれます。

© PERFECT DAY 04(講談社 Mook(J))
この取り組みは、DEAN & DELUCAにとっても大切にしたい物事を再認識させてくれます。都心にもある地産地消の可能性。つくるうえで透明性を大切にすること。環境保護に加え、その循環を探ること。農業としての収益性はもちろん、健康と環境を守ることも、おいしい恵みを喜び続けることにつながる。
本物のおいしさは、未来への一歩だと、DEAN & DELUCAは信じています。だからこそ、正直に仕事と向き合うOme Farmのようなつくり手を応援し、共に取り組んでいきたい。大げさなようですが「DEAN & DELUCA 中目黒さくら蜂蜜」は、そんな私たちの想いの結晶です。

太田 太|FUTOSHI OTA
「Ome Farm」代表。 1982年、東京都出身。 3才まで NYで暮らし、 21才で再渡米。現地で食の楽しさ、大切さを実感。その後世界各地を放浪、帰国後はファッション業界へ。 2014年から農業に転身し2015年に東京・青梅で「T.Y.FARM」をスタート。 2017年、 “東京生まれ、無農薬育ちの野菜”を手がける 「Ome Farm」として独立する。
オウメ・ファーム|Ome Farm
http://www.omefarm.jp/
OUR RECOMMEND RECIPE
日頃、国内外からさまざまな「おいしい」を探し、ご紹介しているメンバーに、おすすめのたのしみ方を聞きました。

「瓶の蓋を開けた瞬間から、お花の香りがやさしく広がる、この蜂蜜。食べるとさらに香りを満喫していただけるでしょう。
また、なんとも言えないテクスチャーも魅力です。滑らかですが、さらっとしているわけではない。非加熱のはちみつならではの、まろやかな口当たりです」

「香りがよく、ほどよい甘さなので、どうぞシンプルにシェーブルタイプのチーズに合わせてみてください。春のミツなので、たとえば、ロワールのサント・モール・ド・トゥレーヌあたりがおすすめ。山羊のチーズならではの、個性的な風味や酸味、苦味を中和してくれて、とても相性がいいと思います」