SEASONAL旬をたのしむ
秋の収穫祭

豊かな季節とともに発展してきた日本人の生活
はるか昔から、四季に恵まれてきた島国、日本。「温暖湿潤気候(おんだんしつじゅんきこう)」という、一年を通じて気温の差が大きく、夏は多雨で冬は乾燥する世界でもまれな気候で、農耕に適しているとされます。
これもあり、日本人の生活は、農耕のリズムを基盤に発展してきました。季節をよみ、自分の暮らす土地・風土に合わせて、その地が育む作物を収穫する。日々の繰り返しの中、食の知恵も自ずと育まれていったのでしょう。
たとえば、春に採れる山菜など苦味が多いものは、春の暖かさでのぼせる体を調節する。トマトなど水分の多い夏野菜は、暑さにバテる体を冷やしてくれる。秋は、でんぷん質の多い栗やイモ類などで、寒さの厳しい冬に備えて脂肪を蓄える。寒くなるとおいしさの増す根菜は、冬に冷えた体を温めてくれるなど。自然の法則に導かれ、育まれた旬の味を、旬な時期に摂取する。これは、健全な体を形成するうえでも、とても大切なことだったのです。
一年を通して、もっとも食の実りを感じられる、この季節。 日本で育まれた豊かな食材を手にしてはいかがでしょう。
季節の恵みをいただきます
この時期に、日本で旬を迎える食材をご紹介します。

- サツマイモ
焼き芋でおなじみの「嗚門金時」は、秋口から冬にかけて甘みが増し、ホクホクに。加熱すると、中が淡い黄色になり、いっそう甘みが増します。
- 栗
国産では、最も早い時期に出回る早生栗の代表が「丹沢(たんざわ)」。粒は比較的大きく、果実はホクホクの粉質で、甘みと香りは控えめです。ミネラル豊富で、脂質が少なく、比較的ヘルシー。
- 精白米
玄米を精白して糠層と胚芽を取り除いた米です。味が淡白で様々な料埋にあわせやすく、特に句な時期収穫される“新米”は、甘くておいしい。
- 玄米
稲の果実である"籾(もみ)”から"籾殻(もみがら)” を除去した状態。精白されていない状態の米をいいます。白米より、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富です。
- ジャガイモ
ビタミン・ミネラル・炭水化物と、非常に豊富な栄養素を含みます。日本だけでも、約20種類ほど栽培されており、食感がホクホクとしたもの、ねっとりとしたものなど、料理によって使い分けて食べたい食材の一つです。
【RECIPE】
・ジェノベーゼソースのポテトサラダ
・ピスタチオと青リンゴのポテトサラダ- 大豆
大豆は、味噌や醤油といった、日本の調味料の原料に欠かせない食材です。また、良質のタンパク質が豊富で「畑の肉」とも呼ばれています。

- 山芋
食物繊維の一種で、独特のぬめりは、細胞を活性化させる働きがあるといわれています。その結果、新陳代謝が促進され、老化を防いだり、肌荒れ、 疲労回復などによいそうです。
- カボチャ
収穫してから3ヶ月ほど寝かせると、より甘みを増し、おいしくなります。ホクホクとした果実はもちろん、βカロテンをより多く含む皮ごと料理するのがおすすめ。皮膚や粘膜の健康などに役立ちます。黄色野菜の中で、トップクラスの豊富栄養素をもつカボチャを丸ごと楽しめば、便秘予防や 冷え性緩和にも。
【RECIPE】
・パンプキンとサルシッチャとナッツのフォルナチェレ
・3種のチーズとカボチャのリゾット- カリフラワー
プロッコリーの仲間で、未発達のつぼみである「花音(からい)」の部分が食用に。ビタミンCが豊富で、100gで1日の必要量が摂れるほか、ビタミンB1・B2・カルシウム・鉄なども含みます。
【RECIPE】
・ブルグルとローストカリフラワーのタブレ- ブドウ
ブドウの中でも「巨峰(きょほう)」は、実が大きいことから「ブドウの王様」とも呼ばれています。黒皮の部分に抗酸化作用のあるアントシアニンを多く含みます。また、ブドウの甘みは疲労回復にもよく、熟すこの時期に、皮のまま食すのがおすすめです。
- ザクロ
さわやかな酸味と甘味をもつ果物の一種。ビタミンB1・B2・ナイアシン・カリウムが多く含まれ、女性の悩みの一つである生理痛や、美肌に期待ができるのだとか。
- 無花果
血液をきれいにし、美肌や整腸に期待できるといわれている無花果。ほのかな酸味と上品な甘さ、果実の中にある花のプチプチとした食感が特徴です。
【RECIPE】
・無花果とゴルゴンゾーラのクリームペンネ
比較的、甘みの増す食材が多い秋。夏の暑さも和らぎ、夏バテなどによる食欲も戻ることから「食欲の秋」とも称されるのでしょう。旬の味を存分にたのしみ、また次の季節をよろこべる心身でありたいものです。