PEOPLE想いをつなげる
ARTISAN -水谷養蜂園

自然からの恵みは、そのままに。
1912年創業から変わらない
アカシアやレンゲ、クローバーなどの花からミツバチが蜜を採り、巣箱にたまった蜜を採取する。1912年創業の『水谷養蜂園』は、創業当時から変わらない養蜂を続けている養蜂一家です。
4代目当主の水谷友彦さんは「蜂が花から蜜をもらい、その蜜を私たちは分けてもらっている。祖父にあたる2代目の清一から『自然からの贈りものはそのままが一番。手を加える必要はない』と教えられました。受け継がれてきた大事な信念ですし、それこそが“自然の蜂蜜”の証明なのです」と語ります。
手を加えないために、水谷養蜂園では独自のフィルターで不純物を取り除くことしかしません。高熱処理によって蜜の色や香りが劣化したり、栄養素が壊れてしまわぬように、ありのままの恵みをなるべくそのまま瓶に詰めているのです。
また、ひとくちに「蜂蜜」といっても、花の種類や風土によって味わいが異なります。そのため水谷養蜂園では、20年ほど前から世界を巡り、世界の養蜂家とともに良質な蜂蜜づくりに取り組んでいます。
「手つかずの自然が残るニュージーランドやカナダ、“薔薇の谷”と呼ばれるブルガリア、日差しが降り注ぐメキシコなど、外国産はコクがあって味わいが濃厚。日本は水分が多くてあっさりしていますね。それぞれに合う食材と組み合わせて、自由にたのしんでもらいたいです」。
おいしい蜂蜜を採るために、花を咲かせる運動もしているという水谷さん。自然の摂理に従うことが欠かせない養蜂だからこそ、その自然との共存の道をつねに手繰り寄せながら、今日も世界を飛び回っています。

水谷養蜂園|MIZUTANI YOHOEN
大正元年から蜂蜜と向き合う、三重県の養蜂園。現在、4代目当主の水谷友彦さん(写真右)は、蜂蜜のトレーサビリティにも力を入れ、顔が見え、信頼できる養蜂家とともに安全でおいしい蜂蜜を集める。